舞台「ジャニーズ・ワールド」感想 プロデューサーよ、永遠なれ
人が行き交う幕間のロビーで、赤絨毯をぼんやりと眺めながら脳裏をよぎったのは「まるでジャニーさんの走馬灯を観ているようだ」ということ。
キラキラときらびやかな衣装で宙を舞う美少年、劇場に鳴り響く各種音楽、カラフルな電飾で彩られたステージセット、憧憬を打ち砕く悲惨な事故、恐怖と憎悪が渦巻く殺戮。
ジャニーズ舞台の集大成と称される「ジャニーズ・ワールド」は、“エンターテインメント”とひと言で括るのはあまりに早計な気がしたし、かといって自伝とするには断片的すぎて。
とにもかくにもジャニーズ舞台自体が初体験だった私にとって、同舞台の観劇はなかなかの強烈体験でした。
なによりもアイドルが自分と同名のアイドルとしてステージに立ち、苦悩するというメタ構造がスリリング。
これはジャニーズ舞台ではおなじみの構成だそうですが、フィクションとノンフィクションの境目があやふやになる様がなんとも危うく、この先にとんでもない世界が広がっているのではないだろうかと妄想が広がりました。
この演目を2カ月にわたって上演するなんて狂気の沙汰だ。アイドルは美しいだけでなく、強く逞しくあらねばならないのですね。
あとは舞台機構も大迫力で、できることならじっくり映像で見返したい気持ちです。
普段サブカル系劇団の舞台ばかり観ているので(大人計画とナイロン100℃大好きマン)、どこもかしこも新鮮なんですが、オケピをリフター代わりに活用したドラマティックな演出はとてもジャニーズ的であるように感じたし、しょりたんを乗せたステージが回転しながら沈み込んでいくシーンは回りトラック(被写体を中心に、カメラが円を描きながら回るカメラワーク)の映像を観ているようで沸き立ちました。
3Dフライングは言わずもがな。
この盛り込み具合、すばらしや。舞台監督さんは一体どんな方なんだろう。
ただ、今年から水の演出がなくなったのは本当に残念です。
来年も必ず観に行きますので、どうか復活させてください……!
ストーリーに関しては、観劇前にあらゆるブロガーさんのレポで予習したもののいまいち理解できなかったのですが、観終った現在も分かったような、いや分からなかったような……。
でもそれでいいんだ、鬼才だけが目にすることのできる回り灯籠なんだから、という結論。
そう考えると、一見エキセントリックなあのシーンやこのシーンもとてもありがたいもののように思えます(真顔)。
以下、感想メモ。
【個人的シュールポイント】
- Jr.の顔がはめこまれた緑色のボールが無数に浮かぶ暦の旅のOP映像。しかもほんの一瞬だけ映されるのでよからぬサブリミナルか!?と疑いたくなった
- 4月、空中でシルク布に拘束されたピンクスーツ姿のケンティが、上手からにっこり笑顔で登場。これはなんのイニシエーションなのかと(以下略)
- 手を変え品を変え調理されるHiHiJET。メンバーも曲もかわいらしかったけどバラードver.の無理やりさハンパなくて思わず苦笑。「ジャニーさんから3回出すって言われたとき、どう思いましたか?」って舞監さんに聞いてみたい
- 予想よりめっさ小型だったタイタニック号と、はるかにビッグだったヒンデンブルグ号
【これを機に注目しだしたJr.くんたち】
- 華があるなと目を奪われたのは、松田元太くん、菅田琳寧くん
- わちゃわちゃ大賞は松田元太くん×森継亮太くん
- Jr.コーナーのどこだかで、下手サイドのマンションでひとりしゃかりきに踊りまくってるSnow Man佐久間くんがかわいすぎて、後半はさっくんロックオンだった
以上、初ジャニワの感想でした。
それにしても、帝国劇場でジャニーズ舞台を観るって、底知れぬ贅沢感がありますね……新しい楽しみを知ってしまいました(財布を開きながら)。